障がい者雇用の分野で
成功するロールモデルを作る

沼尾亮太(23新卒)

Ryota Numao

・出身大学 早稲田大学 人間科学部 人間情報科学科 認知心理学専攻
・好きな言葉「We have to be willing to fail, to be wrong, to start over again with lessons learned.」
・趣味「読書・将棋・サウナ」
・ニックネーム「沼氏,沼ちゃん」

平均的な人間なんてどこにもいない

私は大学時代、専攻の心理学の勉強に励んでいました。面白そうなテーマは何でも、時間を忘れて熱中していました。あるとき統計について学んでいた中で、衝撃的な事実を知りました。皆が想定する「標準人」のようなものは存在せず、内面的特徴(性格/知能)や外見的特徴(体格)のうち1つをとってみても、一般的に想定されるような「平均的人間」は幻想であるということ。普通の人ならこうだ、とか、そんなことはおかしい。とかいう言説が罷り通っている世の中。しかし、皆が想定する「普通」や「平均」とは、何をもってそう言えるのか、考えてみるとはっきりしません。結局、マジョリティ側が数で圧倒するからその基準が「普通」になり、マイノリティの声は抑圧されてしまうのが今の世の中です。むしろ、変えることができない「人間は皆多様な特性を持っている」という事実を受け入れ、そこにフィットするように仕組みを作ったり、人間を適材適所で考える方がいいのではないか。と考えるようになっていきました。

写真:日本心理学会「学部生・高校生プレゼンバトル」の発表日本心理学会「学部生・高校生プレゼンバトル」の発表

人間の可能性を引き出して,誰もが思ってもみなかった大きな目標を達成する手助けをしたい

大学生時代に集団塾の講師として教育に携わる経験から「机に向かってする勉強」以外の教育にも興味を持つようになり、それを考えるだけでなく、実際に行動したいと思っていました。そこで、色々試行錯誤するうちに、偶然見つけた「神経科学×教育」という日本では比較的新しい組み合わせで事業を展開している企業にボランティアとして飛び入り参加させていただくことになりました。
オンラインコミュニティの運営メンバーの一員として、参加者の方々、そして自身のWell-beingに向き合う中で、色々な気づきがありました。コミュニティでは、最新鋭の神経科学の知見についてのレクチャーを受けた後に、それにまつわる自身の経験や、応用の可能性についてゆるくディスカッションします。私はそこで、複数人のボランティアメンバーと共にファシリテーター兼裏方を担っていました。当然、Well-beingも個々人によって違っていて、そこには正解不正解等はなく、どれも同様に尊重されたいものだし、平均化できるものでもありません。Well-beingに限らず、人間の様々な特性についても,「普通」とか「平均」を基準にするのではなく、相互に尊重し、伸ばしていくことが、それを生かしてその人個人の可能性を引き出すことにつながると思います。それが最終的に、思ってもみなかった目標を達成することにつながる、そんな素敵なプロセスに携わっていきたいと強く思うようになった経験でした。

写真:「神経科学×教育」のボランティア先でのコース修了証「神経科学×教育」のボランティア先でのコース修了証

GPへの入社理由

代表の進藤の「まずはやってみよう」という言葉、そして「障がいを持ちながらも成功するロールモデルを作る」という一学生に過ぎない自分の考えに共感してもらえたことが大きな理由です。学生時代に教育に携わった経験から、形は違えど、教育に携わりたいと思っていました。まだ社会的には充分に目が向けられていないけど、確かに必要不可欠な領域である、障がい者雇用と、それに必要な教育。GPなら、自分が持っていない視点や経験をもつ多様な方々と、自分が実現したいことを模索して、実践できると思いました。

GPで実現したいこと

私はGPで「障がい者雇用の分野で成功するロールモデル」を創造したいです。GPが日本中の全障がい者の就労を支援する、というのは1つの理想かもしれませんが、現実的にそれは難しいと思います。しかし、GPが生み出した成功例が、よきロールモデルとなり、全国の障がいを持つ方々を勇気づけて、インスピレーションを与えることなら不可能ではないと思います。だったら、自分がそのロールモデルを生み出したい。
そう考えるに至った経緯は、社会心理学の「オバマ効果」と題した興味深い研究*を知ったからです。「オバマ効果」とは2009年、オバマ大統領がアメリカ合衆国史上初のアフリカ系大統領となった後で、黒人学生の学業成績が有意に向上した、という現象です。この現象について、社会的に成功したロールモデルの誕生とその認知が、黒人学生たちにも好影響を及ぼした、も言われています。
もちろん、文化差や社会的な文脈など、種々の条件が違うので、日本という文化圏の障がい者雇用という文脈でも、同様の効果が見られるかという点は慎重に考える必要があります。しかし大事な事は、少しでも可能性があるならば、その可能性を広げるよう模索することではないかと思っています。
私自身も生きてきた中で、年齢や性別を問わず尊敬すべきロールモデルに出会えた経験から、ロールモデルが他者に与えるインパクトの大きさは身に染みて感じています。だからこそ「障がい者雇用の分野で成功するロールモデルを作る」事業やサービスを自分の手で創造していきたいと思っています。

*Marx et al. (2009). The “Obama effect”: How a salient role model reduces race-based performance differences.

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